ポイント管理アプリで"失効ゼロ"になった日、私がまずやったこと

触れたきっかけと思ったこと

あれは確か、去年の9月だったと思う。いつものようにドラッグストアでレジを済ませて、レシートをもらった瞬間だった。店員さんが申し訳なさそうに「お客様、先月末で1,500ポイント失効しておりまして…」と言ったんだ。

え、1,500ポイント?私、頭が真っ白になった。1,500円分だよ。そんなに貯まってたなんて知らなかった。というか、完全に忘れてた。

家に帰ってから、財布の中のポイントカードを全部出してみた。ドラッグストア、家電量販店、スーパー、コンビニ、カフェ、書店、美容院…数えたら12枚もあった。スマホアプリで管理してるポイントも含めたら、軽く20種類は超えてる。楽天ポイント、dポイント、Tポイント、Pontaポイント、それから各店舗独自のポイントプログラム。もう何がなんだか分からなくなっていた。

正直、ポイントカードって「あったらラッキー」くらいにしか思ってなかった。レジで「ポイントカードはお持ちですか?」って聞かれたら出すけど、貯まったポイントがいくらあるのか、いつまで有効なのかなんて、ほとんど気にしたことがなかった。

でも、1,500ポイントを失ったことで、妙に悔しくなってきたんだ。考えてみれば、あれは私が頑張って働いて稼いだお金で買い物をして、コツコツ貯めたポイントなわけで。それを何もせずに消滅させてしまうなんて、もったいない以外の何物でもない。

そんなとき、友人のユキが「私、ポイント管理アプリ使ってるよ。失効日教えてくれるから超便利」とサラッと言ったんだ。ポイント管理アプリ?そんなものがあるのか。私はスマホで早速検索してみた。すると、いくつか出てきた。レビューを読みながら、「これなら私でも使えそうかな」と思えるアプリをダウンロードした。それが、私とポイント管理アプリとの出会いだった。

ダウンロードした瞬間は、正直「本当にこれで変わるのかな」と半信半疑だった。今まで何度もダイエットアプリとか家計簿アプリとかダウンロードして、結局三日坊主で終わってきた私だ。でも、1,500ポイントを失った悔しさが、背中を押してくれた。

最初に戸惑った体験

アプリを開いて、まず目に入ったのは「ポイントを登録しよう!」という明るいメッセージだった。よし、やるぞと意気込んで、財布から全部のポイントカードを出して、登録を始めた。

ところが、これが思った以上に大変だった。まず、カード番号を入力する欄があるんだけど、どこに書いてあるのか分からないカードがいくつもあった。バーコードの下の数字なのか、裏面の小さく印字された番号なのか。カードによって全然違うんだよね。

それから、ポイント残高を入力する画面になったんだけど、そもそも今何ポイント貯まってるのか分からない。カードの裏面を見ても書いてないし、レシートももう捨てちゃってる。仕方なく、各店舗のウェブサイトにアクセスして、会員ログインして、残高を確認して…という作業を繰り返した。

ここで最初の壁にぶつかった。ドラッグストアのポイントカード、ログインIDとパスワードが分からない。「パスワードをお忘れの方はこちら」をクリックして、メールアドレスを入力したら「このメールアドレスは登録されていません」と表示された。え、じゃあどのメールアドレスで登録したんだっけ?昔使ってた古いアドレスかもしれない。でももうそのメールアカウント、使ってないんだよな。

結局、そのドラッグストアのポイントは諦めて、次回買い物したときに店員さんに聞くことにした。こんな調子で、全部のポイントを登録するのに、実に3日もかかってしまった。正直、途中で「もういいや」って投げ出しそうになったことも何度もあった。

やっと全部登録し終わったと思ったら、今度は「有効期限」の入力でつまずいた。アプリには「ポイント失効日を入力してください」という項目があるんだけど、そもそもポイントの有効期限がいつなのか分からないカードだらけ。

家電量販店のポイントは「最終利用日から1年間」と書いてある。最終利用日っていつだっけ?レシート見ないと分からない。でも、レシートなんてもう残ってない。スーパーのポイントは「年度末まで有効」って書いてあるけど、年度末って3月末のこと?それとも12月末?

カフェのポイントカードに至っては、どこにも有効期限が書いてない。ということは無期限なの?それとも店員さんに聞かないと分からない系?もう、分からないことだらけで、頭がパンクしそうだった。

さらに厄介だったのが、ポイントの種類が複雑なやつ。楽天ポイントには「通常ポイント」と「期間限定ポイント」があって、期間限定ポイントの方が先に失効する。しかも、キャンペーンごとに失効日が違う。アプリに一つ一つ登録していくのが、本当に面倒くさかった。

「こんなに複雑なら、もうポイントなんて貯めなくていいや」と思った瞬間もあった。でも、そこでまた頭に浮かんだのが、あの失った1,500ポイントのこと。ここで諦めたら、また同じことを繰り返すだけだ。私は歯を食いしばって、一つ一つ、丁寧に登録していった。

試行錯誤しながら気づいたこと

なんとか主要なポイントを登録し終わって、アプリのホーム画面を見たとき、ちょっとした衝撃を受けた。画面には「失効まで残り7日」という赤い警告マークがついたポイントが3つも表示されていたんだ。

一つは書店のポイント。580ポイントも貯まってたのに、あと1週間で消えるところだった。もう一つはコンビニのポイント。これは320ポイント。そして三つ目が、美容院のポイントで、これが一番大きくて2,000ポイントも貯まっていた。

合計すると、2,900ポイント。もしこのアプリを使い始めていなかったら、私はこの2,900円分を、何も知らないまま失っていたことになる。背筋が寒くなった。

すぐに行動した。書店のポイントは、ずっと欲しかった料理本を買うのに使った。コンビニのポイントは、いつも買ってるコーヒーとお菓子で消費。美容院のポイントは、次回予約のときにトリートメントを追加することにした。

この経験で、大きなことに気づいた。ポイントって、「貯める」ことばかり意識してたけど、大事なのは「使う」ことなんだって。どんなにたくさん貯めても、失効しちゃったら意味がない。それよりも、失効前にきちんと使い切ることの方が、よっぽど重要なんだ。

アプリを使い始めて1ヶ月くらい経った頃、もう一つ重要なことに気づいた。それは、「自分が本当によく使う店」と「たまにしか行かない店」のポイントを、ちゃんと分けて考えるべきだということ。

私の場合、週に2〜3回は行くドラッグストアとスーパーのポイントは、放っておいてもどんどん貯まるし、買い物のたびに有効期限も延びていく。だから、そこまで神経質に管理しなくても大丈夫だった。

でも、2〜3ヶ月に一度しか行かない家電量販店とか、半年に一回の美容院とか、そういう「たまにしか使わない店」のポイントは、油断するとすぐ失効してしまう。だから、アプリで失効日の通知を「30日前」に設定して、早めに気づけるようにした。

さらに気づいたのは、ポイントの「還元率」よりも「使いやすさ」の方が大事だということ。以前の私は、「還元率1%」とか「ポイント5倍デー」とかいう言葉に釣られて、あちこちの店でポイントカードを作っていた。でも、結果的にポイントが分散しすぎて、どこのポイントも中途半端にしか貯まらず、失効ばかり繰り返していた。

アプリで全体を見渡せるようになって分かったのは、還元率が少し低くても、自分がよく使う店のポイントに集中した方が、結果的にお得だということ。私は思い切って、ほとんど行かない店のポイントカードを整理することにした。財布から5枚、アプリからも3つのポイントプログラムを削除した。すると、管理がグッと楽になった。

自分なりに工夫したポイント

アプリを使い続けるうちに、自分なりのルールというか、コツみたいなものが見えてきた。

まず一つ目は、「失効日の30日前通知」に加えて、「失効日の7日前通知」も設定したこと。30日前の通知で「そろそろ使わなきゃ」と意識できるんだけど、忙しいとつい忘れてしまう。だから、7日前にもう一度通知が来るように設定した。これで、ほぼ確実にポイント失効を防げるようになった。

二つ目は、「ポイント使用予定日」を自分でメモするようにしたこと。アプリにはメモ機能がついてたから、それを活用した。例えば、書店のポイントなら「来月発売の○○の本を買う」とか、ドラッグストアなら「シャンプーがなくなったら使う」とか。こうやって具体的な使い道を決めておくと、失効前にちゃんと使うことができる。

三つ目の工夫は、「ポイント棚卸しデー」を月に一回作ったこと。毎月1日に、アプリを開いて全てのポイント残高と失効日をチェックする。この習慣をつけたら、ポイント管理が本当に楽になった。最初は面倒に感じたけど、慣れてくると10分もあれば終わる作業だ。

それから、買い物の仕方も工夫するようになった。以前は、安い店を探して色んな店をハシゴしていたけど、今は「ポイントが貯まりやすい店」を優先するようになった。例えば、同じ商品が10円高くても、ポイントが5倍つく日なら、結果的にそっちの方がお得になる。アプリで計算できるから、損しない選択ができるようになった。

あと、面白い発見だったのが、「ポイント交換」の活用。私が使っていたあるポイントは、他社のポイントに交換できることを知った。たまにしか行かない店で中途半端に貯まっていた800ポイントを、よく使う共通ポイントに交換したら、すごく便利だった。ポイントを一箇所に集約できると、管理も楽だし、失効のリスクも減る。

それと、家族とのポイント共有も試してみた。夫とは別々にポイントを貯めていたんだけど、同じスーパーのポイントなら合算できることが分かって、私のカードに統一した。そうしたら、貯まるスピードが倍になって、より大きな買い物にポイントを使えるようになった。

最後に、これは小さなことだけど、レシートをもらったらすぐに確認する習慣をつけた。レシートには、今回貯まったポイント数と現在の残高、そして次回失効予定のポイント数が印字されていることが多い。それをその場で見て、必要ならアプリに記録する。これだけで、かなり精度の高い管理ができるようになった。

日常や生活でどう変わったか

ポイント管理アプリを使い始めて半年くらい経った頃、ふと気づいたことがある。財布の中が、すごくスッキリしていたんだ。

以前はパンパンに膨らんでいた財布。その原因の大半が、使うかどうかも分からないポイントカードの束だった。でも今は、本当によく使う3枚のカードだけになった。他のポイントは全部スマホアプリに集約したから、財布を開くたびにストレスを感じることがなくなった。

買い物の仕方も変わった。以前は、レジで「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれて、財布の中をゴソゴソ探して、「あ、家に忘れました」とか言って諦めることが多かった。でも今は、スマホのアプリをサッと開くだけ。スマートだし、ポイントを取りこぼすこともなくなった。

それから、無駄な買い物が減った。これは予想外の変化だった。以前は、「ポイント5倍デー」とか「ポイント還元率アップキャンペーン」みたいな言葉につられて、必要でもないものまで買っていた。でも、アプリでポイント全体を管理するようになって、「今、本当に必要なのか」を冷静に考えられるようになったんだ。

例えば、ドラッグストアで「今日はポイント10倍!」というポップを見ても、「でも今、うちには同じシャンプーの在庫がまだある。次に買うのは来月でいい」と判断できるようになった。ポイントに振り回されるんじゃなくて、ポイントを上手に使いこなしている感覚。これが気持ちいい。

夫との会話も変わった。以前は、「また無駄遣いして」とか「ポイントカードばっかり増やして」と小言を言われることが多かったんだけど、今は「今月、ポイントで5,000円分も得したよ」とか「来月失効するポイントがあるから、週末に家電見に行こう」とか、前向きな会話ができるようになった。

実際、ポイント管理アプリを使い始めてから、年間でどれくらい得したか計算してみたんだ。そうしたら、失効を防げたポイントだけで約4万円分。それに加えて、ポイントを計画的に使えるようになったことで、実質的な節約効果はもっと大きいと思う。

友達にも勧めるようになった。最初にポイント管理アプリのことを教えてくれたユキはもちろん、他の友達にも「これ、本当に便利だよ」って話すようになった。みんな最初は「面倒くさそう」とか「設定が大変そう」って言うんだけど、私の失効ゼロの話をすると、興味を持ってくれる。

特に、同じように子育てしている友達のアヤは、すぐにアプリをダウンロードしてくれた。彼女も私と同じで、忙しくてポイント管理なんてしてる暇がないタイプだったんだけど、「これなら私にもできそう」って言ってくれた。後日、「2,000ポイント失効する前に気づけた!ありがとう!」ってLINEが来たときは、すごく嬉しかった。

続けてみて見えてきたこと

アプリを使い始めて1年が経った今、改めて振り返ってみると、ポイント管理って単なる「節約術」じゃないなって思う。

確かに、失効を防いで、お得に買い物できるようになった。それは事実だし、嬉しい変化だった。でも、それ以上に大きかったのは、「自分のお金の使い方」を客観的に見られるようになったことだと思う。

ポイントって、自分がどこで、何に、いくら使っているかの記録なんだよね。アプリを見ていると、「あ、私、最近ドラッグストアばっかり行ってるな」とか「この3ヶ月、書店に全然行ってないな」とか、そういうことが見えてくる。

そうすると、「最近、仕事が忙しくて本を読む時間がないな。週末は本屋に行ってみようかな」とか、「ドラッグストアで日用品ばかり買ってる。もう少し自分のための買い物もしたいな」とか、生活を見直すきっかけになった。

それから、「もったいない精神」との付き合い方も変わった。以前の私は、ポイントを失効させることを恐れるあまり、必要でもないものまで買って、結果的に無駄遣いをしていた。でも今は、「ポイントはあくまで手段であって、目的じゃない」と割り切れるようになった。

例えば、失効間近のポイントが500ポイントあったとする。でも、その店で今、欲しいものが何もない。以前なら、「もったいないから何か買わなきゃ」って無理に使っていた。でも今は、「500円分損するけど、それでいいや」と思えるようになった。無理して不要なものを買う方が、よっぽど無駄だから。

ただ、そういう「諦める判断」ができるようになったのも、アプリでちゃんと管理しているからこそだと思う。無意識に失効させるのと、意識的に諦めるのは、全然違う。前者は単なる無駄だけど、後者は自分で選んだ結果だから、後悔がない。

もう一つ、続けてみて分かったのは、「完璧を目指さなくていい」ということ。私も最初の数ヶ月は、全てのポイントを完璧に管理しようと頑張っていた。でも、それだと疲れてしまう。だから今は、「メインで使う5つのポイントだけは絶対に失効させない。他は、まあ仕方ないか」くらいの気持ちでやっている。

そのくらいの緩さが、長く続けるコツなんだと思う。実際、この1年間で失効させてしまったポイントもある。300ポイントくらい。でも、以前のように何千ポイントも無意識に失効させることはなくなった。それだけでも、大きな進歩だと思っている。

最近、面白いことに気づいた。ポイント管理を通じて、「未来の自分へのプレゼント」という考え方を持てるようになったんだ。ポイントを貯めて、計画的に使うって、つまり「今の自分が、未来の自分のために準備しておく」ってことなんだよね。

例えば、今月コツコツ貯めたポイントで、来月、ちょっといい化粧品を買う。それって、今の私から未来の私への小さなプレゼント。そう考えると、ポイントを貯めることも、管理することも、なんだか楽しくなってきた。

まとめ

1,500ポイントを失ったあの日から、もう1年以上が経った。今、私の財布はスッキリしていて、スマホのポイント管理アプリには、失効日まで余裕のあるポイントが並んでいる。「失効まで残り7日」なんて赤い警告は、もうずっと見ていない。

正直に言うと、最初は面倒くさかった。カードを一枚一枚登録して、残高を調べて、有効期限を確認して。「こんなの続くわけない」って何度も思った。でも、続けてよかったと心から思っている。

今では、ポイント管理アプリは私の生活に欠かせないツールになった。毎月1日の「ポイント棚卸しデー」も、もはや習慣になっている。買い物に行く前に、サッとアプリを開いて確認する。それだけで、失効のリスクはほぼゼロになった。

何より嬉しいのは、「お金を無駄にしている」という罪悪感がなくなったこと。以前は、ポイントを失効させるたびに、「あー、またやっちゃった」って自己嫌悪に陥っていた。でも今は、自分のお金としっかり向き合えている実感がある。

ポイント管理って、結局のところ、お金との付き合い方なんだと思う。ポイントもお金も、使ってこそ価値がある。貯めることが目的じゃなくて、自分や家族のために、いいタイミングで使うことが大事なんだ。

もしあなたが、財布の中にポイントカードがたくさん入っていて、「いつか使おう」と思いながら結局失効させてしまっているなら、一度ポイント管理アプリを試してみてほしい。最初の設定は確かに面倒かもしれない。でも、その数時間の手間で、これから先ずっと、ポイントを無駄にしない生活が手に入る。

私にとって、あの1,500ポイントの失効は、本当に貴重な授業料だった。あれがなければ、私は今でもポイントカードを放置して、無駄に失効させ続けていたと思う。そう考えると、あの1,500円は決して無駄じゃなかった。私に大切なことを教えてくれた、意味のある損失だったんだと思っている。

今日も、スマホの通知が来た。「美容院のポイント、失効まで残り28日です」って。よし、そろそろ予約しようかな。髪も伸びてきたし、ちょうどいいタイミングだ。ポイントを無駄にしないだけじゃなくて、自分を大切にする時間も作れる。これが、私にとってのポイント管理アプリの一番の価値かもしれない。