Googleマップのお気に入り機能を使い始めて、外出がスムーズになった体験

使いはじめたきっかけ

転職して新しい職場に勤め始めた頃、取引先への訪問が月に5〜6回発生するようになった。それまでは決まった場所にしか行かない生活だったので、外出のたびにGoogleマップで検索して場所を確認していた。

ある日、同じカフェに3回目の訪問をするとき、また一から店名を入力して検索している自分に気づいた。前回も前々回も同じ操作をしていた。検索履歴から探せば早いが、他の検索も多いため埋もれてしまう。このやり方は明らかに無駄だと感じた。

そのとき同僚が「Googleマップに保存しておけば一発で出るよ」と教えてくれた。お気に入り機能の存在は知っていたが、どう使えばいいのか具体的なイメージがなかった。ただ、毎回同じ検索をする手間を省けるなら試してみる価値はあると思い、その日のうちに設定を始めた。

当時の私の外出パターンは、取引先3社、よく行くカフェ2軒、ジムが1軒、たまに行く書店が2軒という状況だった。これらを毎回検索するのは確かに面倒で、特に急いでいるときは店名のスペルを間違えて再検索することもあった。

実際にやってみた流れ

まずスマートフォンでGoogleマップのアプリを開いた。最初に保存しようと思ったのは、週に1回通っているジムだった。検索バーに店名を入力して場所を表示させた。

画面下部に店名と住所が表示され、その横に「保存」というボタンがあった。このボタンをタップすると、いくつかの選択肢が出てきた。「お気に入り」「行きたい場所」「スター付きの場所」という3つの既定リストと、「新しいリスト」という項目があった。

最初はどれを選べばいいのか迷った。それぞれの違いがよく分からなかったため、とりあえず「お気に入り」を選んでタップした。すると画面に「お気に入りに保存しました」という通知が短く表示され、保存ボタンのアイコンが塗りつぶされた状態に変わった。

次に、保存した場所がどこから見られるのか確認した。画面下部の「保存済み」タブをタップすると、先ほど保存したジムが「お気に入り」のセクションに表示されていた。タップすればすぐに地図上で場所が表示され、ルート検索もできる。これは確かに便利だと感じた。

続けて、よく行くカフェも同じ手順で保存した。店名を検索し、保存ボタンから「お気に入り」を選択する。この時点で2件が保存済みになった。

取引先についても同様に保存しようとしたが、ここで少し考えた。取引先は3社あり、今後増える可能性もある。すべてを「お気に入り」に入れると、プライベートで行く場所と混ざって分かりにくくなるのではないかと思った。

そこで「新しいリスト」という項目を試してみた。タップすると、リスト名を入力する画面が表示された。「仕事関係」と入力して作成ボタンを押した。すると、先ほど検索していた取引先がそのリストに保存された。

残りの取引先2社も、同じ手順で検索してから保存ボタンをタップし、今度は「仕事関係」のリストを選んで保存した。これで3社すべてが同じリストにまとまった。

書店についても新しいリストを作るか迷ったが、頻度が低いため「行きたい場所」に保存することにした。この段階で、お気に入りにカフェとジム、仕事関係に取引先3社、行きたい場所に書店2軒という振り分けができた。

保存済みタブを開くと、それぞれのリストが縦に並んで表示され、タップすればリスト内の場所一覧が見られた。地図上で一括表示する機能もあり、リスト名の横にある地図アイコンをタップすると、そのリストに含まれる場所すべてにピンが立った。

ここまでの設定に要した時間は15分ほどだった。操作自体は単純で、一度流れを理解すれば迷うことはなかった。

途中でつまずいた点

使い始めて数日後、最初の問題に気づいた。取引先の1社が別のビルに移転することになり、新しい住所を保存し直す必要が出た。古い場所を削除して新しい場所を保存すればいいと思ったが、削除の方法がすぐに分からなかった。

保存済みタブからその場所を開き、画面をあちこち見たが削除ボタンが見当たらない。保存ボタンをもう一度タップすると、チェックマークが外れて保存が解除された。これで削除できたと思い、新しい住所を検索して保存し直した。

しかし後日、リストを確認すると古い住所がまだ残っていた。どうやら複数のリストに保存していた場合、片方を解除してももう片方には残る仕組みらしい。私はその取引先を「お気に入り」と「仕事関係」の両方に保存していたため、片方しか解除できていなかった。

結局、保存済みタブからリストを開き、場所の名前を長押しすると削除オプションが表示されることを発見した。この方法で古い住所を完全に削除できた。ただ、この操作に気づくまでに何度か試行錯誤が必要だった。

別の問題も発生した。カフェを5軒ほど保存した頃、お気に入りリストが雑多になってきた。仕事帰りに寄るカフェと、休日に行くカフェが混在していて、外出先で開いたときにどれを選べばいいか一瞬迷うようになった。

さらに、スター付きの場所というリストの使い道がよく分からなかった。最初に保存するとき、お気に入りとスター付きの違いが判断できず、なんとなくお気に入りばかり使っていた。後から調べると、スター付きは以前からある機能で、お気に入りはその後に追加された分類らしい。機能的な違いはほとんどないが、2つあることで逆に混乱した。

もう一つ困ったのは、保存した場所の順番だった。リスト内で場所が保存した順に並ぶため、よく使う場所が下の方に埋もれてしまうことがあった。並び替えの機能を探したが、スマートフォンアプリからは見つけられなかった。

自分なりに工夫した部分

まず、リストの整理方法を見直した。お気に入りには本当によく行く場所だけを残し、頻度の低い場所は別のリストに移した。具体的には、週1回以上行く場所だけをお気に入りに入れ、それ以外は用途別のリストに分けた。

新しく作ったリストは「カフェ作業用」「休日の外食」「買い物」の3つだった。カフェ作業用には仕事や勉強ができる静かなカフェを入れ、休日の外食には友人と行くような飲食店を保存した。買い物には、たまにしか行かないが場所を覚えにくい専門店をまとめた。

こうすることで、お気に入りには本当に頻繁に行く3〜4箇所だけが残り、目的に応じてリストを切り替えて探せるようになった。外出先で「今日は作業できる場所を探したい」と思ったら、カフェ作業用のリストを開けばいい。

次に、リスト名を工夫した。最初は「仕事関係」という名前にしていたが、これだと取引先なのか仕事で使うカフェなのか曖昧だった。「取引先」と明確な名前に変更した。変更はリストを開いて編集ボタンから行えた。

スター付きの場所は、一時的に保存する場所として使うことにした。たとえば旅行先で気になった店や、誰かに勧められてとりあえず記録しておきたい場所など、後で分類を考える場所の一時置き場にした。月に一度、スター付きの場所を見直して適切なリストに振り分けるか削除するかを決めた。

並び替えができない問題については、パソコンのブラウザからGoogleマップを開くと解決できることが分かった。ブラウザ版では、リスト内の場所をドラッグして順番を変えられた。よく行く順に並べ替えてから保存すれば、スマートフォンでもその順番が反映された。

ただ、毎回パソコンで操作するのは面倒なので、保存するときに場所の名前を工夫することにした。たとえば「A取引先」「B取引先」のように、頭に記号や番号を付けると自動的にある程度の順番で並んだ。重要度の高い場所には「1_」「2_」と番号を振った。

保存する際のもう一つの工夫は、メモ機能の活用だった。場所を保存するとき、メモを追加できることに気づいた。取引先には担当者名や最寄り駅からの所要時間を書き込んだ。カフェには電源の有無やWi-Fi状況、混雑する時間帯などを記録した。

このメモは、後から見返したときに非常に役立った。「ここは14時以降が空いている」とメモしておけば、訪問時間を決めるときの判断材料になった。メモの追加は、保存済みの場所を開いて鉛筆アイコンをタップすれば編集画面が出た。

実感した変化

最も大きな変化は、外出前の準備時間が短くなったことだった。以前は出かける直前にスマートフォンで場所を検索し、ルートを確認してから出発していた。急いでいるときは店名を正確に思い出せず、何度か検索し直すこともあった。

お気に入り機能を使い始めてからは、保存済みタブを開いて場所を選ぶだけで済む。検索の手間が省け、出発までの時間が平均で2〜3分は短縮された。朝の忙しい時間帯では、この数分の違いが大きかった。

移動中の確認もスムーズになった。電車の中で次の目的地を確認するとき、以前は検索履歴を遡るか、もう一度検索していた。今は保存済みから開くだけなので、確認が一瞬で終わる。複数の用事を連続してこなす日は、この効率化が特に実感できた。

取引先への訪問が重なる日の動きも変わった。午前中に1社、午後に別の1社を訪問する予定があるとき、以前は紙のメモに住所を書いて持ち歩いていた。今は仕事関係リストを開けば全ての取引先が一覧で見られ、地図上でまとめて表示もできる。どの順番で回るのが効率的か、地図を見ながら判断できるようになった。

予定外の行動にも対応しやすくなった。仕事が早く終わって時間ができたとき、カフェ作業用リストを開いて今いる場所から近い店を探せる。リスト内の場所は地図上に一度に表示されるため、現在地から最も近い選択肢がすぐに分かった。

週末の外出でも変化があった。友人と会う約束をしたとき、「この辺でいい店ない?」と聞かれることがある。以前は記憶を頼りに店名を挙げていたが、今は休日の外食リストを見せながら提案できる。保存してある場所なら自分も行ったことがあるか、少なくとも情報を確認済みなので安心して勧められる。

意外だったのは、新しい場所を開拓する頻度が上がったことだった。気になる店を見つけたらすぐにスター付きで保存しておけるため、「後で調べよう」と思って忘れることが減った。月末にスター付きリストを見直す習慣をつけたことで、定期的に新しい場所を訪れるきっかけができた。

時間の使い方にも影響があった。以前は外出先で次の予定までの空き時間ができたとき、どこで時間を潰すか考えるのに時間がかかっていた。今は保存済みの場所から選べるので、迷う時間が減り、実際に過ごせる時間が増えた。

メモ機能を活用し始めてからは、訪問の質も上がった。カフェに「電源が窓側のみ」とメモしてあれば、最初から窓側の席を狙える。取引先に「入口が裏通り側」と書いておけば、迷わず到着できる。小さな情報だが、現地で困る時間が確実に減った。

リストを人に共有する機能も使ってみた。同僚に取引先リストを共有したところ、新人の営業担当が訪問先を覚えるのに役立ったと言われた。友人との旅行前には、候補地をリストにまとめて共有し、意見を集めてから行き先を決めた。この使い方は当初想定していなかったが、意外と便利だった。

まとめ

Googleマップのお気に入り機能を使い始めたのは、単純に検索の手間を省きたかったからだった。実際に使ってみると、操作は思っていたより簡単で、場所を検索して保存ボタンを押すだけで登録できた。

最初はリストの使い分けや削除方法で戸惑ったが、自分なりにルールを決めて整理することで使いやすくなった。頻度の高い場所はお気に入り、用途別に分けたい場所は専用リストを作り、一時保存にはスター付きを使うという方法に落ち着いた。

メモ機能や並び替えなど、細かい工夫を重ねることで、単なる場所の記録以上の価値が生まれた。外出前の準備時間が短くなり、移動中の確認がスムーズになり、予定外の時間も有効に使えるようになった。

特に複数の場所を訪れる日や、初めての場所に行くときの安心感が大きく変わった。必要な情報がすぐに取り出せる状態を作っておくことで、外出そのものが以前より気楽になった。小さな変化の積み重ねだが、日常生活への影響は確かにあった。